入管法違反。不法就労者が多い県ランキング〈法務省：平成31年3月発表〉

外国人の不法滞在や不法就労がニュースになることが増えました。
外国人労働者はますます増えている訳ですから、問題が発生することも多くなるでしょう。

雇用主が気をつけたいことは

などがあります。

外国人労働者は貴重な働き手です。その一方で法律違反が増えていることも頭にいれておく必要があるのかもしれません。

法務省から発表された『平成30年における入管法違反事件』を簡単にまとめ直しました。

このページでは

・不法就労者が多い県ランキング
・入管法違反で一番多い違反

がわかるようになっています。

平成30年の入管法違反概要

平成30年中に，違反により退去強制手続を執った外国人(※)は，16,269人です。
平成29年が13,686人、平成28年が13,361人ですから、年々増加しています。

退去強制手続を執った外国人のうち62%は不法就労の事実も認められています。
その数は10,086人です。

※全国の地方入国管理官署が出入国管理及び難民認定法（以下「入管法」という。）違反により退去強制手続を執った外国人

一番多い入管法違反は何？

入管法違反で何の違反が一番多いかというと『不法残留』です。
不法滞在とか不法在留などいろいろな呼ばれ方をしています。

不法残留者は14,353人で、入管法違反者全体に占める割合は88.2%。
高い割合を占めています。
また、先に書いたように、不法就労とセットになっている場合が多いです。

２番目で多いのが資格外活動です。

資格外活動とは、得ている在留資格で許可されている範囲を超えて労働を行ったりすることです。
例えば留学ビザで来日しているなら、労働時間は週に２８時間と決められています。

資格外活動では、ベトナムが２３４人と最も多く，次いで中国，フィリピン，タイ，カンボジアの順となっており，これら５か国で資格外活動者違反者の77.5%を占めています。

不法就労が多い県ランキング

都道府県別では，茨城県の1,975人が最多です。
1,975人のうち1,436人は農業従事者です。
農業・林業で働く外国人が多い茨城県ならではの理由があるのかもしれません。

以下、ランキングです。

(全国４５の都道府県で不法就労者の稼働が確認されていますが、10位までの記載です。)

	県名	不法労働者数
1	茨城	1,975
2	千葉	1,666
3	東京	1,437
4	愛知	912
5	埼玉	860
6	神奈川	556
7	群馬	456
8	大阪	317
9	栃木	274
10	兵庫	209

「平成３０年における入管法違反事件について」 表10 不法就労者の稼働場所別構成 より抜粋

関東地区１都６県（東京都，茨城県，千葉県，神奈川県，埼玉県，群馬県及び栃木県）で7,772人となり，同地区が不法就労者全体の71.6%パーセントを占めています。

また，中部地区９県（愛知県，静岡県，岐阜県，長野県，富山県，山梨県，福井県，新潟県及び石川県）が１，４２１人となり，不法就労者全体の14.1%を占めている。

つまり関東地区及び中部地区で不法就労者全体の85.7%を占めています。

ちなみに。外国人労働者が多い県と比べると…

不法就労が多いランキング１位の茨城県は労働者数ランキングでは９位です。

外国人労働者の数と不法就労者数が一致していないことがわかります。

東京での外国人労働者数は一番多いです。
しかし労働者数に比べて違反者の数が少ないことを考えると比較的法令順守の意識が高いのではないかと推測されます。

ネクストライフに外国人のビザ申請をご依頼くださるお客様も『法律に違反していないか？』を心配される方が増えました。

共存共栄できるような、よい未来が作れるといいと思います。

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