【第2回】留学ビザから就労ビザへ変更手引き-事前調査① 在留カードの確認編-
留学ビザから就労ビザへ変更についての手引き(第2回)です。
今回は外国人の事前調査についてご説明いたします。
外国人の応募があったら、まずは事前調査をしましょう。
なぜ事前調査をするかというと、2つの大きな理由があります。
- 適法に在留している外国人かどうか?
- 内定を出した後に、就労ビザが下りるかどうか?
この2つをチェックします。
1は不法滞在者でないかの確認、2は学歴と職種のマッチング確認です。
不法滞在者でないかの確認は基本中の基本です。
これを怠って雇用すると、不法就労助長罪に問われてしまいます。
今回は外国人が不法滞在者ではないことを確認する手段として
在留カードの確認の仕方
をご説明いたします。
※在留カードの確認は後でいいよ、という方は『第3回 事前調査② 学歴と職種のマッチング編』に進んでください↓
目次
在留カードを見てみよう。
外国人の応募があったら最初に行ってください。
また必ず原本で確認してください。
そして必ずコピーをとってください
(いろいろと理由をつけてコピーを提出する方もいます。)
※このページで使用している画像は出入国在留管理庁で公開されている「在留カード」及び「特別定住者証明書」の見方からの引用です。
適法に入国滞在している外国人に対して、法務大臣から交付され日本国内においては公的な身分証明書とみなされるカードのこと。
一部の外国人を除いて携帯することが義務付けられています。
①在留資格を確認
まずは在留資格を確認しましょう。
在留資格の項目を見てください。
在留資格は29種類ありますが、留学生を新卒で採用する場合なので『留学』であれば問題ありません。
卒業後の留学生が日本に留まって就職活動を続けている場合は『特定活動』、転職者の場合は『技術・人文知識・国際業務』であることが多いです。
②就労制限の有無を確認
留学生の場合、就労制限の有無の欄には『就労不可』と記載されています。
ただし就労不可とあっても、カード裏面の資格外活動許可欄に「許可:原則週28時間以内・風俗営業等の従事を除く」と記載されている場合は単純労働のアルバイトができます。
資格外活動許可を受けている場合、面接時に週に28時間を超えて働くことはなかったか?を確認する必要があります。
オーバーワークをしていると、就労ビザが下りない可能性があります。
実例:オーバーワークが理由で不許可
商学部を卒業した者から,貿易業務・海外業務を行っている企業との契約に基づき,海外取引業務に従事するとして申請があったが,申請人は「留学」の在留資格で在留中,1年以上継続して月200時間以上アルバイトとして稼働していたことが今次申請において明らかとなり,資格外活動許可の範囲を大きく超えて稼働していたことから,その在留状況が良好であるとは認められず,不許可となったもの。
法務省入国管理局:留学生の在留資格「技術・人文知識・国際業務」への変更許可のガイドライン
③有効期間を確認
有効期間とは満了日のことです。保持者が日本に在留できる最終期限日です。
期限日を過ぎていないことを確認します。
期限が切れている!?
期限が切れている!?
そんな場合もまれに遭遇すると思います。
裏面を確認してください。
裏面に在留資格変更許可(または在留期間更新)申請中とあれば、現在カード保持者は在留期間の継続審査中であることを意味しています。
審査には時間がかかる!
在留資格の変更申請は満了日までに行えばよいことになっています。
そのうえ、入国管理局の審査期間は2週間から長ければ2ヶ月ほどかかることもあります。
そのため申請時期によっては在留期限が切れても審査が終わらない場合もあります。
その場合は
- 審査が完了するまで
- 本来の在留期限の満了後2ヶ月が経過する日まで
は適法に日本に在留することができます。
不法滞在とはなりません。
④番号を確認
法務省のホームページで番号を確認することができます。
↓ ↓ ↓
在留カードのカード番号から、実在しているカードかどうかを調べてみましょう。
カード自体にもホログラムや透かし文字、色の変色などの偽造防止対策が施されているのでよく確認してください。
最近は偽造在留カードが多く出回っています。
カード番号からだけでは確実に有効なカードであることが確認できません。
⑥住居地を確認
外国人の最新の居住地です。
在留カードは日本に上陸した空港の入国審査で初めて発行され、本人に交付されます。
その際まだ日本国内の住所は決まっていないため未定と記載され、入国後に住所を定めた居住地の市町村村役場に住民登録をすると届出先の市町村村役場が裏面に記載します。
まとめ -第2回はここまで-
このページでは
外国人留学生の在留カードの確認の仕方
をご説明いたしました。
在留カードの確認で大切なことは適法に在留している外国人かどうか?を見極めることです。
- 在留カードは絶対に確認すること
- 応募があったら一番最初に確認
- 在留カードのコピーをとること
- 偽造カードに気をつけること
です。
在留カードの確認は外国人の応募があったら最初に行ってください。
在留資格を確認しないで雇用をすることは、不法就労助長罪に問われる可能性が高くなります。
不法滞在者を雇用しないことは、企業にとって最も重要なリスク管理です。
次回は
留学生が学生生活で学んできたことと、実際に就く仕事内容が一致しているか?
です。
【第3回】留学ビザから就労ビザへ変更手引き-事前調査② 学歴と職種のマッチング編 -
『就労ビザ』が下りるかどうかの一番重要なポイントです。
内定を出してもビザが下りないと雇用するができません。要チェックです。