【第5回】留学ビザから就労ビザへ変更手引き-許可率UP!在留資格変更許可申請編-

【第5回】留学ビザから就労ビザへ変更手引き-許可率UP!在留資格変更許可申請編-

留学ビザから就労ビザへ変更についての手引き(第5回)です。

留学生の学歴チェック、雇用契約書の取り交わしが完了したら、次はいよいよ在留資格変更許可申請を行います。
許可率をできるだけ上げたいところです。

在留資格変更許可申請で大切なことは、入国管理局に理解してもらうことです。

  1. なぜ、この外国人を雇用したいのか?
  2. どんな職務に就くのか?
  3. 学業とどんな関係があるのか?

これを上手に入国管理局に伝えることが大切です。
これらの内容は必須書類だけでは伝わりません。

どうやって伝えればよいのかをみていきましょう!

在留資格変更許可申請書を確認しよう。

まずは在留資格変更許可申請書(一部分)を見てみましょう。
許可申請書自体はそれほど難しくはないと思います。
※必要な書類一式は別ページでご説明いたします。

チェックを入れてくような感じで、まさに申請書です。
でもこれで『この外国人が弊社にとって必要な人材であること』が伝わるのか、心配になります。

ダウンロードはこちら⇒法務省:在留資格変更許可申請書

許可率を上げるためのポイント

留学ビザから就労ビザへの変更で大切なことは職種と学歴のマッチングです。
でもこの申請書には変更の理由を書く欄がありますが、 ほんの一行程度です。

これだけで入国管理局の審査官は職種と学歴がマッチしていることがわかるのでしょうか?

在留資格変更許可申請書:変更理由記述欄

実はこのあたりに許可率を上げるためのポイントが潜んでいるんですね。

雇用理由書を添付しよう。

雇用理由書を添付しよう。

必要書類をそろえて入国管理局に申請を行なったとします。
結果は不許可。ガーン!何で!?です。

審査する側からすれば

  1. 本当にその仕事をするの?
  2. 何の仕事をするのかよく分からないなぁ?
  3. 別にこの外国人でなくてもよいのでは?

など、要するに決め手に欠けるわけです。

必要な書類だけを提出すると、 そのような事態になることが目に見えています。

解決策はあらかじめ添付資料として雇用理由書を提出します。

雇用理由書に記載する内容

雇用理由書には以下の内容を記述します。

  1. 雇用主の会社の概要
  2. 入社後に行う具体的な業務内容
  3. 雇用する外国人の学歴との関連性

以上の3点が重要なポイントとなります。

平成30年度の許可率は83.9%です。
8割以上は留学ビザから就労ビザへの変更が許可されています。

しかし約16%の外国人は残念ながら不許可です。

8割以上が許可なら楽勝!ではなく、16%の側にならないように『念には念を入れる』くらいの準備が必要です。

実際のところ”ビザの変更に詳しい人が関わって”この許可率です。

架空の状況で雇用理由書を書いてみよう。

架空の状況は以下の通り。

  • 株式会社しんなりがハンナリ国の〇〇〇〇〇君を正社員として採用したいとき。
  • 〇〇〇〇〇君にはハンナリ国出身のアルバイトの教育係やマニュアルの作成、また通訳・翻訳業務をしてもらいたい。

こんな状況なら、こんな雇用理由書が出来上がります。

誰が申請するのがベスト?

誰が申請するのかも重要なポイントです。

外国人本人に任せる企業もありますが、うまくいかない場合がほとんどです。
なぜなら入国管理局の審査員を説得できるほどの書類を用意することができないからです。

雇用主の協力なくして変更許可が下りることはまずありません。

外国人のどんな能力が買われて、御社でどんな仕事を任されるのか?

雇用する企業にしかわからないことです。
上記で記載した雇用理由書などは、まさにその良例です。

そしてもう一点。

客観的な視点が必要です。

すべての書類は客観的な視点が必要

第1回でも書きましたが、
在留資格の変更には雇用する企業も審査されます。

自社の経営状況もすべて明かします。
場合によっては時期的に業績が芳しくないこともあるでしょう。
そういった時でも包み隠さずに、ありのままに書類に記載する必要があります。

誰でもそうだと思いますが、自分のことはよく思われるように書きたくなるものです。
しかし入国管理局はその辺りの事情を見抜くプロです。
決して過剰に演出してはいけません。

客観的に『第三者の視点で書類を作る』ことが大切になってきます。

下記のようなことを熟知している人間が書類を作ると許可率が上がります。

  1. こういう風に説明してくれたらわかるのに
  2. 入国管理局が知りたがっていること

外国人の在留資格変更許可申請は、
入国管理局のことをよく知っている人間が行うことが大切なんですね!

在留資格変更許可申請をできる人

  1. 申請人本人
  2. 申請の取次の承認を受けている者で,申請人から依頼を受けたもの
  3. 地方出入国在留管理局長に届け出た弁護士又は行政書士で,申請人から依頼を受けたもの
  4. 申請人本人の法定代理人

※もう少し詳しくは法務省の在留資格変更許可申請をご参考ください。

この中の誰かが、直接入国管理局に出向きます。
実際に入国管理局にくる人は③の人が圧倒的に多いです。

必要書類

雇用する側は規模や事業内容によってカテゴリー1~4に分けられます。
自社がどのカテゴリーに入っているのかを確認し、必要な書類を揃えて行きます。

このようなものを用意すれば良い、ということを知っておきましょう。
必須提出書類ではありませんが、上記でご説明しました『雇用理由書』もつけておくこともおすすめします。

※提出する資料は法務省の在留資格変更許可申請書に記載されています。
※参考のため、ここではカテゴリーに関係なく用意する書類のみ記載しておきます。

カテゴリーに関係なく用意する書類

1.在留資格変更許可申請書 1通

2.写真(縦4cm×横3cm) 1葉

3.パスポート及び在留カード(在留カードとみなされる外国人登録証明書を含む。) 提示

4.上記カテゴリーのいずれかに該当することを証明する文書 適宜

カテゴリー1:四季報の写し又は日本の証券取引所に上場していることを証明する文書(写し)
主務官庁から設立の許可を受けたことを証明する文書(写し)
カテゴリー2及びカテゴリー3:前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表(受付印のあるものの写し)

5.専門学校を卒業し専門士又は高度専門士の称号を取得した者については,専門士又は高度専門士の称号を付与されたことを証明する文書 1通

申請後は(受け入れ準備をしながら)待つのみ

新卒の学生を採用する場合、多くは4月1日入社になると思います。
この場合、いつぐらいから申請を開始すれば良いのでしょうか?

答えは前年の12月以降から行うことができます。
しかし時期は卒業シーズンの真っただ中です。入管は大変混みあいます。
4月1日入社に合わせるなら、なるべく早めに申請しましょう。

通知が申請人宛に到着します。

許可

入国管理局から在留資格変更申請が許可される内容の通知が申請人宛に到着します。
この通知が来たら卒業後に卒業証書やパスポートなどを持参して入国管理局に来訪しましょう。

新しい在留資格や在留期限が記載された在留カードの交付によって在留資格の変更が完了です。(就労ビザ取得)

不許可

在留資格変更許可が許可(就労ビザへ変更ができない)場合は、審査結果と理由を記載した通知が送付されます。

まとめ -第5回はここまで-

このページでは在留資格変更許可申請についてをご説明いたしました。

在留資格変更許可申請を行う上で、もっとも大切なことは

入国管理局の審査員にわかりやすく伝えること

です。

簡単にまとめると以下の通りです。

  1. 雇用理由書を添付する
  2. 外国人任せでは通用しない
  3. 申請する人を厳選する
  4. 入国管理局の審査員の視点で書類を作る

たくさんの書類を用意しなければなりません。
外国人を雇用しようとする企業の作業量も増えるでしょう。

しかし外国人を雇用する多くの企業は、外部に依頼することで許可率の向上と作業量の負担の軽減をしています。

次回は最終回。

【第6回】留学ビザから就労ビザへ変更手引き-外国人の受け入れ準備編-

です。
あと少しで新しい戦力の獲得です。

外国人ビザ取得:行政書士事務所ネクストライフ

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