【一体化】在留カードとマイナンバーカードが一枚に!?外国人にとって有利か不利かを検証。
政府はマイナンバーカードの活用策として『在留カードとマイナンバーカードの一体化』をすすめています。早ければ2022年通常国会に出入国管理・難民認定法など関連法の改正案を提出する予定です。
何が何でもマイナンバーカードを普及させたい、という政府の強い意志を感じますね。
このページでは、
一体化すると、外国人に有利か?不利か?
を検証しています。
※読売新聞2019年12月19日夕刊記事【マイナンバー 在留カードと一体化】の内容を基に、行政書士の視点を加えた内容になっています。
目次
背景には在留カードの偽造がある
在留カードは偽造による外国人の不法就労が相次いでいる、という問題が隠れています。
在留カードは偽造防止のためにICチップが搭載しています。
しかしICチップの読み出しの仕様は公開されているため、完全な防止策ではないというのが現状かと思います。
なんで仕様が公開されているの?
金融機関などの民間業者が、本人確認の場面などでカードの偽造などの確認を容易にするためです。
出入国在留管理庁:「在留カード等仕様書の公開について」
仕様が公開されているということは、偽造もしやすくなります。
実際、在留カードの偽造で摘発される外国人は爆発的に増えています。
これは雇用する側にとっては困った事態です。
なぜなら偽造されたカードを持った外国人を雇用すると、雇用した側も不法就労助長罪に問われる可能性があるからです。
余談ですが、在留カードが偽造されたものかどうか、チェックするための機器を販売する業者もいます。
在留カードとマイナンバーカードが一体化して困ること
外国人労働者の中には
マイナンバーカードと在留カードが一体化したら困ることがあるのでは?
そのように不安を感じる方も多いと思います。
まっさきに思いつくのはダブルワークではないでしょうか?
ちなみに、はじめてマイナンバーが付番されたときは、夜の街で働く女性が減りました。
理由は簡単で、本業の会社にダブルワークが発覚するのを恐れたためです。
でも本当にマイナンバーが原因でダブルワークが判明することがあるのでしょうか?
マイナンバーが原因で、ダブルワークが判明する可能性
マイナンバーの利用目的は 税や社会保障です。
しかもマイナンバー法には守秘義務があります。
マイナンバー制度が原因で、複数箇所から賃金や所得を得ていることを会社に判明する可能性はありません。
でも絶対にバレないとは言い切れません。
なぜなら会社は税務関係や社会保険関係の手続きをするから、です。
このとき、例えば総務部の方が『何かおかしいな?』と疑問に思うことはあるかもしれません。
例をあげるなら、
住民税が異常に高い、とか。
そういった不自然さです。
実はマイナンバー制度施行以前からあったリスクなんですね。
外国人の場合はどうなのか?
外国人を雇用したとき、雇用主は労働局に届出を行う義務があります。
行政サイドは外国人のAさんが、どこでいくら収入を得ているのか、すでに知っていることになります。
もし入管が外国人の活動を把握できていないとすると、資格外活動時間も簡単にごまかされてしまいます。
つまり
今さらマイナンバーと在留カードが一体化したところで、外国人が負うリスクはない
のではないか、という結論になります。
不安があるとすれば『違法な在留カード』を所持している方です。
法律を守って活動している外国人にとっては、特に困ることはないはずです。