【第6回】留学ビザから就労ビザへ変更手引き-外国人の受け入れ準備編-

【第6回】留学ビザから就労ビザへ変更手引き-外国人の受け入れ準備編-

留学ビザから就労ビザへ変更についての手引き(第6回)です。

内定を出し、在留資格変更許可申請を行ったら、あとは許可が下りるのを待つのみです。

しかし在留資格変更許可申請は結果が出るまでに時間がかかります。
通常1週間から2ヶ月となっていますが、卒業シーズンはそれ以上かかることもあります。

4月1日入社の予定なら、結果を待ってから準備を始めると間に合わないかもしれません。
受け入れのための準備は進めておいたほうがよいでしょう。

第6回は受け入れ準備として、次の3点についてご説明いたします。

  1. 外国人の住まいについて
  2. 外国人の社会保険について
  3. 番外:許可が下りなかったとき

さぁ、もうすぐ新しい戦力が御社にやってきます。
準備はいいですか?

外国人の住居を用意しよう。

外国人を雇用する時に一番最初に問題になるのが住む場所です。

会社の近くに賃貸物件を借りようとしても、外国人一人だとなかなか部屋を借りれることができません。
貸主が嫌がるケースもありますし、保証人などの問題もあります。

安心して働くことができるよう、住まいの確保には雇用主のサポートが必要です。

賃貸物件を借りるとき

賃貸物件を借りる場合には主に3つの問題があります。

  1. 保証人の問題
  2. お金の問題
  3. 共同生活の問題

1.保証人の問題

外国にはそもそも保証人という制度がない国のほうが多いです。
あってもせいぜい緊急連絡先を教えるぐらいです。
保証人になってくれる人を探すこと自体が難しいこともあります。

雇用主が保証人となるつもりがないのなら、保証会社(※)のサービスがある物件を探してください。
外国人の『保証人』を専門に扱う会社もあります。

※お金を払って『保証人』になってくれるサービス。

2.お金の問題

入社にあたり、引っ越しをするのなら誰がその費用を負担するのか?はあらかじめ決めておく必要があります。

また、日本の賃貸住宅事情は外国人には馴染みのない摩訶不思議なシステムです。
敷金や礼金、更新費用など日本ならではの費用を知っておいてもらう必要があります。

3.共同生活の問題

入居後のトラブルとも言えます。
例えばゴミ出し、騒音、共用スペースの使い方などです。 

相手が外国人の場合、周囲が注意しにくいためにトラブルが大きくなるケースも…

会社の借り上げ物件に住むとき

会社の借り上げ物件に居住するケースはとても多いです。
雇用主が住宅を一軒借り上げて、外国人労働者が共同生活をするケースです。

借り上げ物件に住む場合でも、賃貸物件に住むときと同じように入居後のルールを守ることが大切です。

近隣の住民とのトラブルは企業としても避けたい問題です。

住民が外国人だと近隣の人が注意しづらいため『大きくなったトラブルが、流れ流れて雇用主のところに回ってきた』という事例もあります。

もうちょっと詳しくはこちら↓ のページをご参考ください。

社会保険加入を理解してもらう 

外国人によっては社会保険への加入を拒むケースもあります。

社会保険に加入すると、手元に残るお金が減るので、何となく損した気分になるのは誰でも同じではないでしょうか?

社会保険には加入の義務があります。
もし加入していない場合にペナルティを受けるのは雇用主です。

内定を出す前に『社会保険に加入してもらう』ことを説明し、また雇用契約書にもその旨を記述しておきましょう。

もし在留資格変更が不許可だったら…

就労ビザの結果が不許可の場合があります。
残念ですが、この場合は内定を取り消す他ありません。そのまま雇用するようなことは絶対にしてはいけません。

一般的に考えて

『必要な在留資格が得られない』→『内定取消』

は不自然なことではありません。

仮に賠償などを求められても、その義務はないことがほとんどです。
(企業側が引っ越し代など、かかった費用を負担する、などの言動をしていないことが前提)

内定取消をせざるを得ない状況になった以上、事情を説明し納得してもらうほかはありません。

第4回でもご説明しましたが、

ビザの更新が可能であった場合のみ、契約の更新が可能である。

ということを採用時にキッチリと理解しておいてもらいましょう。

まとめ -留学ビザから就労ビザへの変更で大切な7のこと-

留学ビザから就労ビザへ変更について、6回にわけてご説明をしてきました。

『留学ビザから就労ビザへの変更で大切なこと』

は何となくご理解いただけたのではないかと思います。

あらためて特に大切なことを7点にまとめておきます。

  1. 雇用する企業の協力が必要不可欠であること
  2. 大学生と専門学生では審査の難易度が違うこと
  3. 在留カードは絶対に確認すること
  4. その外国人でなければならない理由が必要なこと
  5. 雇用契約書を交わすこと-労使双方の同意-
  6. 雇用理由書を添付すること
  7. 入国管理局の審査員の視点で書類を作ること

外国人留学生は学んできたことも性格も皆それぞれ違います。
実際に申請書類を作るときは、その外国人に合わせてケースバイケースで作ることになります。
時間と労力はかかるものと思っていた方がいいでしょう。

また、ビザの変更手続き以前に 

申請しても許可が下りない外国人

がいます。

外国人が学んできたことと、御社での業務自体が一致していなければ申請しても許可が下りない外国人です。

この外国人を採用したら許可が下りるだろうか?

この判断を”適切に”早い段階ですることが大切です。

外国人の雇用で迷ったら、ネクストライフにご相談ください。 

留学ビザから就労ビザへの変更のご相談は

外国人ビザ取得:行政書士事務所ネクストライフ

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